大きな特徴のひとつは、約1,800mmの深い軒の出。夏季の日射を遮りつつ、冬季には暖かい陽射しを室内に取り込む設計で、季節ごとの快適な室内環境を実現します。また、この深い軒は内と外を緩やかにつなぐ中間領域としても機能し、利用者に心地よい空間の広がりを感じさせます。
さらに、事務所および会議室空間には、奥行き8,198mm(芯々)のスパン構造を採用。一般流通材を活用することで、構造的な安定性を確保しながら、工期短縮とコスト削減を同時に実現しています。
1階エントランスには大きな吹き抜けを設け、自然光が差し込む明るく開放的な空間を演出しています。エントランスから2階へと続く階段は、木造ササラ桁を使用したスケルトン仕様とし、奥にはガラス張りのミーティングルームを配置。奥へ視線を伸ばす事で空間に広がりを持たせ全体に統一感と透明感を持たせました。
また、1階事務室天井にはLVL(単板積層材)を使用し、意匠性の高い構造材としてあえて“魅せる”設計を採用。無柱の空間を確保するため構造用LVLは厚み38㎜材高さ505㎜が採用されています。