木材木の分類
2025年2月10日 更新
目次
非住宅木造建築で使われる木について前回は少し触れました。
今回はその木の分類について探堀していきます。
木の種類について「天然木材」「人工加工木材」といった表現を前回コラムでは使っていました。
実際のプレカット工場では木の大きな分類として「無垢材」「集成(EW)材」という分別があります。
無垢材にも「グリーン材」と「KD材」という分別があります。
無垢材
・グリーン材(Green Lumber)
グリーン材は未乾燥材なので、丸太から角材に製材したそのままの状態です。水分を多く含んでいるので、経年変化とともに乾燥割れや歩切れ(サイズダウン)が発生したりします。プレカット工場では米松・桧・杉といった樹種が使われます。
・KD材(Kiln-Dried Lumber)
KD材は機械乾燥させた人工乾燥材で、含水率は20%以下に抑えられています。オーバーサイズのグリーン材を人工乾燥させてから正寸法に製材することで寸法の安定や強度を機械的に確認することができます。樹種はグリーン材と同様に米松・桧・杉が使われます。桧は主に土台と柱、杉は柱と梁、米松は梁桁で使われることが多いですね。
集成材
・集成(EW(Engineered Wood))材
集成材は30㎜厚のラミナーと呼ばれる板を積層して接着剤をつかって圧着している木材です。ラミナーは丸太からオーバーサイズに製材されて乾燥してから正寸法に厚みと幅を整えられています。整えられたラミナーが積層されたEW材は寸法安定・強度ともに優れており、専用の機械で検査して強度等級が付与されます。建築物の主要構造部材として幅広く利用されています。EW材はその断面サイズによって小断面(120㎜以下)、中断面(150~300㎜)、大断面(330㎜以上)という表現もあります。
・CLT(Cross Laminated Timber)
EW材の1種としてCLTという集成材があります。その名前の通りラミナーを繊維方向が直交するように積層した集成材で日本語では「直交集成材」とも呼ばれます。大型のパネル工法における床面・壁面・天井面を構成する面材として徐々に利用が進んでいます。
EW材は小断面から大断面の長尺材まで製造できますが、木に限らずではありますが自重で垂れてくる、ということもあります。構造計算という検討を経て適材適所で木を活かしていきたいですね。
以上、非住宅木造建築で使われる木の大きな区分けについてお分かりいただけたと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。