COLUMN

非住宅木造コラム

Column of Non-residential Wooden Architecture

木材木の耐久性

2025年2月5日 更新

目次

前回は木造建築の魅力について触れましたが、魅力の1つに【木の耐久性】がありました。

S造やRC造から木造に切り替えるときには【木の耐久性】って、とても気になりますよね。

今回は木の耐久性を探堀していきます。

 

鉄骨とコンクリートにくらべると木の耐久性はイメージしにくいかもしれないですね。

どんな素材で建築するといいのか、とイメージすると有名な童話の「三匹の子ぶた」を思い出されるかもしれませんね。わらと木の家よりもレンガ積の家が強かった、というような話でした。イギリスの童話なので地震よりも風の被害が怖いという背景もありますね。でも日本では地震に強い建物が求められます。そうなると素材の軽さであれば鉄よりも木の方が優位性があります。耐久性についても木は使い方次第で法隆寺のように1000年以上も続く建物になります。

 

 

・木材の種類と特性

木の種類によって耐久性が大きく異なります。

針葉樹(例: スギ、ヒノキ):耐久性が高いものも多く、特にヒノキは耐腐朽性が高いことで知られています。

人工加工木材:合板や集成材、CLTは、均質性が高く耐久性が向上しています。

 

・湿気対策

木の大敵は湿気です。湿気対策徹底することで耐久性が大きく向上します。

設計段階での工夫:軒の出を長くすることで、雨水が直接建物にかからないようにします。

通気性の確保:通気層を設けることで、木が乾燥しやすい環境を作ります。

 

日本では台風も地震も怖いので、日本版の三匹の子ぶたの物語では、「木の家」をつくった二番目のお兄さんが賢い選択をしたことになります。日本でも台風被害の多い沖縄では、石造りやRC造が一般的で、木造は少ないが、地震の多い太平洋側のアジアでは木造の建物が多いです。また、海岸線に近いところに居住区がある島国・日本では、地震・台風のほかに、塩害による鉄の錆びも起こりえます。この童話には登場しないですが、鉄は木に比べて錆びがあったため不利となり、日本版「三匹の子ぶた」は二番目のお兄さんが一番に。

 

以上、木も適材適所で素晴らしい耐久性を発揮することがお分かりいただけたと思います。