COLUMN

非住宅木造コラム

Column of Non-residential Wooden Architecture

建築非住宅木造建築の現状と木の特性

2025年2月3日 更新

目次

・はじめに

こんにちは。本コラムでは、非住宅木造建築の魅力と可能性について掘り下げていきます。

木は私たち日本人にとって、文化的にも歴史的にも特別な素材です。温もりや柔らかさを感じられるだけでなく、炭素固定や再生可能性といった環境面でも優れた特性を持っています。本コラムでは、最新の事例や技術、課題解決のポイントを紹介しながら、非住宅木造がどのように社会を変えるのかをお伝えしていきます。

木造建築の可能性や新たな視点を導くきっかけになれば幸いです。

初回は非住宅木造建築の現状についてお話していきます。

 

・非住宅木造建築の現状

非住宅木造建築は最近、世界的なサステナビリティの動きや技術革新を背景に注目を集めています。日本でも脱炭素社会の実現を目指し、木材の活用が推し進められています。

2010年の「公共建築物等木材利用促進法」を皮切りに、公共施設では小学校、中学校、図書館などの公共建築だけでなく、商業施設やオフィスビルなどの分野にも広がっています。

主要構造に木材を多用した18階建て「ブロックコモンズ」

 

海外では、カナダやヨーロッパを中心に高層木造建築のプロジェクトが進んでいます。

世界一高い木造複合ビル「ミョーストーネット」高さ約85.4m

 

・木の特性

木造が普及する要因の1つに木の特性が考えられます。木は再生可能な資源であり、適切に管理された森林から採取されることで、持続可能な材料となります。また木は成長過程でCO₂を吸収して固定化するため、建築物として使用することで炭素を貯蔵する役割もあります。鉄やコンクリートに比べて製造時のエネルギー消費量やCO₂排出量が少ないため、ライフサイクル全体での環境負荷が低いとされています。さらに木が持っている調湿効果や自然な暖かみは、ストレス軽減や作業効率の向上といった心理的・生理的効果があるため、利用者にとって魅力的な環境を提供します。このように木の特性を考えると非住宅木造建築が持続可能な未来を支える重要な建築手法として、これからの社会に大きな可能性を感じますね。