木材非住宅木造建築とCLT
2025年3月12日 更新
CLT(Cross Laminated Timber)は、木材を繊維方向が直交するように積層した木質材料で、中高層建築物の壁や床、屋根の構造材として採用されており、耐震性・耐風性が求められる建築にも適用可能です。そのCLTの特徴について深掘りします。
1.高い強度と安定性
繊維方向を直交させて組み合うことで、水平方向の力(風圧や地震力)に対して抵抗力が向上します。またパネル単位で剛性を持ち、壁や床として使用することで、建物全体の構造強度を向上させます。これにより、鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨造(S造)に匹敵する強度を持ち、中大規模建築物に利用される事例が広がっています。
2.環境負荷の低減(カーボンニュートラル)
木材は成長過程でCO₂を吸収・固定するため、CLTを使用することで建築物自体が炭素貯蔵の役割を果たし、脱炭素社会に貢献します。
3.施工の効率化と工期短縮
CLTはプレカット(工場加工)が可能で、現場では組み立てるだけで施工ができるため、施工時の騒音や粉じんが少なく、都市部の建設にも適している点がメリットです。
4.耐火性・耐震性の向上
木材は燃えると表面に炭化層が形成され、これが酸素を遮断して燃焼の進行を優先するため、一定の耐火性能を確保できます。さらに、CLTは地震時の建物への負担を軽減し、耐震性が向上します。
5.快適な居住性(断熱性・調湿性)
CLTは木材特有の高い断熱性を持ち、外気温の影響を調湿性に快適な室内環境を実現します。また木の質感を相談したデザインが可能で、オフィスや商業、公共建築などで温かみのある空間を演出できます。
まとめ
CLTは「強度」「環境性能」「施工性」「耐火・耐震性」「快適性」「デザイン性」といった多くのメリットを考慮しており、今後、非住宅建築を中心にさらに普及が進んでいくことが期待されています。
最後までお読みいただきありがとうございました。