COLUMN

非住宅木造コラム

Column of Non-residential Wooden Architecture

木材木材の炭素固定「ヒノキ」

2025年3月6日 更新

目次

非住宅建築で木を使うメリットの1つとして「CO₂削減に貢献」ということがあります。

また木材はコンクリートや鉄と比べて製造時のCO₂排出量が少なく、環境に優しい建材としても周知されています。

ではどのくらいのCO₂を吸収するのか見ていきましょう

1.木材の炭素固定のしくみ

樹木が光合成によって大気中の二炭素酸化(CO₂)を吸収し、炭素(C)として木材内部に保存する仕組みが炭素固定です。
   

炭素固定量を算出できる計算式があります。

乾燥重量(kg) × 50% = 炭素量(kgC)

炭素量(kgC) × 3.67(CO₂分子量44/C分子量12) = CO₂吸収量(kgCO₂)

この計算式をもとに木造建築でよく使う「ヒノキ」の炭素固定量を見てみましょう。

2.ヒノキの炭素固定量

ヒノキであれば一般的に30~50年の成長期にCO₂を吸収しますので、正しく伐採し、新しい木を植えることで持続的な炭素固定が可能になります。

炭素固定量は、樹齢や成長速度によって変わってきますが、1㎥あたりの炭素固定量を計算してみましょう。

ヒノキの気乾比重(含水率約15%)は約0.4~0.5とされているので、1m³あたりの乾燥重量は⇒気乾比重 0.45 × 1,000kg/m3 = 450kg(乾燥重量)

つぎに炭素量は乾燥重量×50%となるので⇒450kg × 50% = 225kgC(炭素量)

さらに炭素量に係数3.67を乗じてCO₂吸収量を算出⇒225kgC × 3.67 = 約825kg

つまりヒノキ1㎥あたり約825kgのCO₂を固定できる計算です。

例えば弊社の2800㎡の丹波篠山工場は215㎥の木材を使いました。すべて「ヒノキ」だったとすれば、CO₂吸収量825kgを乗じると177.37tのCO₂を固定することになります!
   

3. まとめ

ヒノキは成長過程でCO₂を吸収し、木材として利用することで長期的に炭素を固定します。

ヒノキ1本あたりの炭素固定量は、樹齢40年で約500kg、樹齢80年で約1,500kgにもなります。建築材として活用することで、脱炭素社会の実現と今後、非木造建築の推進や持続可能な森林管理が進むことで、ヒノキの炭素固定能力を最大限に活用し、地球温暖化対策へ貢献できることが期待されます。

最後までお読みいただきありがとうございました。